黒崎展望台とアンモ浦展望台
太平洋をはるか下に望む断崖絶壁の上から丸い地球を実感
アンモ浦展望台
100m超の断崖絶壁が続きます。高度感もあり気分爽快。アンモ浦の滝は展望台の南側に見えます。アンモとはアイヌ語で鬼、妖怪、化け物といった怖いものの総称で、彼らがこの地に住んでいた浦(海岸)ということで名付けられたと言われています。
普代を代表する景勝地である黒崎展望台。
遠くは久慈市の久喜海岸から野田村の海岸線を一望でき、ところによっては150メートルを超える勇壮な断崖を眺められます。
眼下には青深いネダリ浜と白壁の小島がある弁天漁港。
近海に漁などで走る船はもちろん、普代村の村鳥ウミウや、ウミタカ、カモなどの鳥たちが綺麗な青のなかで飛びまわる姿を眺められます。
夜には満点の星空を観察。
黒崎展望台は、1950年代に今のような状態に整備され整備されおりますが、昔からこの地の眺めはよく村内外から人が集まってきたとされています。古くは、伊能忠敬が享和元年10月5日(西暦1801年11月10日)全国測量の旅路中に黒崎に寄り、晴れた夜空の中、星の観測を行い一晩宿泊後、野田村へと北上しております。(※1)
伊能忠敬が観測した星空を300年の時間を経て同じ空の観察。なんともいえないロマンがあります。
駐車場からの誘導看板に促されるまま国民宿舎くろさき荘の裏へとまわると、程なく展望台への看板があります。太平洋に吸い込まれるように下る262段の階段を下りるとアンモ浦展望台。ここがまさしく北緯40度00分00秒東端ポイント。断崖上のわずかなスペースを利用して設けられた展望台からは、断崖絶壁を流れ落ちる滝がそのまま太平洋に注ぐアンモ浦の滝を見ることができます。高さ100m以上で、岩手県一の落差があります。一筋の糸のような水の流れが豪快な景色の中にアクセントを添えています。
黒崎は「三陸ジオパーク」のジオサイトにも指定されています。
アンモ浦展望台入り口
国民宿舎「くろさき荘」の裏から展望台へと下る262段の階段があります。下りはいいですが帰りの登り階段がきついです。でも、汗を流しても余りある雄大な景色を楽しめます。
北緯40度のシンボル塔 高さ4mもある大きな地球儀を取り入れたモニュメント。
黒崎砲台場
ここ黒崎は古くから海上交通の要所でもありました。江戸時代初期から海防を重視した南部藩では、藩領だった釜石市から青森県野辺地までの沿岸随所に遠見船番所を設け外国船を警戒。幕末になると大砲を備えた砲台場を30ヶ所以上に作るなどさらに警戒を強化し、安政3年(1856年)黒崎にも砲台が作られます。黒崎砲台場は、その歴史を伝えるモニュメント。現在は大砲に代わり、白亜の黒埼灯台が沖を行き交う船舶の安全を守り続けています。
陸中黒埼灯台
ネダリ浜自然歩道
黒崎周辺もルートの一部になっています。黒崎漁港からネダリ浜までの「ネダリ浜自然歩道」はゴツゴツとした岩場の波打ち際を約1kmを進む遊歩道で、海に切り立つ断崖を望められる自慢の区間です。晴れていれば素晴らしい景観を楽しめますが、海が荒れている場合は無理せず迂回してください。
黒崎オートキャンプ場&キャンプ場
参考文献
※1:伊能忠敬測量日記一 P.150下段~P.151上段 ページトップへ